A-29

私はある国際犯罪組織の一員である
バスで移動中、バスから転落し、組織のリハビリセンターで
再起を賭けた治療を受けていた

「えらく簡単に完治しましたね」

若くて美人だがその物言い、しぐさ、目つきの一切が鼻につく女医からの手向けの言葉も無視し、私はつぎの任務へ旅立った

がんばって、ジョニー
しくじるなよ、フランク
乗り物には用心するんだな、アリス
君は一からのスタートだ、加藤
誰も信じちゃならねえ、ロドリゲス
いよいよの時は女にすがりつくのさ、マイク
おまえさんには驚くぜ、チコ
惚れ惚れするナオンだな、ルーシー・池野
愛用のブローニングだ、アート
死ぬんじゃないぞ!(一同)

私は十五時間後に生まれ故郷のヴィクトリア火力発電所を破壊せねばならない

めらめらと闘志が湧いてくるのだ!


自由詩Copyright A-29 2007-12-20 00:54:43
notebook Home