臨終
麻生ゆり

  1
嗚呼、私が死んだときは
どうかその骨を散骨してください
海でも山でもいいから
散骨してください
海に溶けた私は
きっと儚いクラゲになることでしょう
山に埋もれた私は
きっと密かにキノコになることでしょう
そうなることができたら
嗚呼、なんて幸せ
この世の人間社会に関わらず
わずらわしいこともなく
苦しみもやすらぎも感じずに
クラゲやキノコになりたい

  2
だけどいまだこの世に未練がある
「辛さ」と「幸せ」なんてものは
自分自身で決めりゃいい
天秤にかけるなんて愚かなこと
自分の心に聞いてみな
偽善と偽悪に満ちているから
私の中はどちらが多い?
それは誰にもわからない…
そっと心の奥の引き出しに
隠し持っていることにしよう

  3
私の魂はどこにある?
墓石の裏にあるものか?
だから心の奥底を探ってみよう
自己分析してみるのだ
私はどこに向かっているのか?
私は何がしたいのか?
もし他の誰かがわかるのなら
そこのあなた教えてくれる?
そのかわり死ぬまで精一杯愛してあげるから


自由詩 臨終 Copyright 麻生ゆり 2007-12-19 22:47:08
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