捨て猫一人分
暗闇れもん

正直わたしは寂しかった

仕事帰りにコンビニによってお弁当を買う
ついでにビールも買う
誰もいない家の扉をあけることって
どうしてこんなに苦しいのだろう
ビールをあける
少し酔っ払ってテレビに文句を言いながら
温めた弁当を食べる
誰もいない布団の冷たさは
どうして人を悲しくさせるのだろう

朝起きて誰もいない
歯を磨いて
一人分のご飯を作る元気もない

寂しい、耐えられないと夜中に何度もうめいて

帰り道に捨て猫がいないか探し回った

ペットショップにいるようなやつじゃなくて
わたしみたいにくたびれた孤独なやつがいい

温かい体を抱いて
孤独を抱いて
まるくなって眠るのだ


自由詩 捨て猫一人分 Copyright 暗闇れもん 2007-12-19 22:28:07
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