捨て猫一人分
暗闇れもん
正直わたしは寂しかった
仕事帰りにコンビニによってお弁当を買う
ついでにビールも買う
誰もいない家の扉をあけることって
どうしてこんなに苦しいのだろう
ビールをあける
少し酔っ払ってテレビに文句を言いながら
温めた弁当を食べる
誰もいない布団の冷たさは
どうして人を悲しくさせるのだろう
朝起きて誰もいない
歯を磨いて
一人分のご飯を作る元気もない
寂しい、耐えられないと夜中に何度もうめいて
帰り道に捨て猫がいないか探し回った
ペットショップにいるようなやつじゃなくて
わたしみたいにくたびれた孤独なやつがいい
温かい体を抱いて
孤独を抱いて
まるくなって眠るのだ