スミノフと僕
つばくらめ

ことばを交わしたい人がそばにいるのに
壁に貼られたメニュー表ばかり見ている
生ビール550円
横顔を見るタイミングだけうまくなる

「いい人」になんかなりたくない
「大切な人」になりたいのに

歓声を聞いているのももう慣れた
同じく箸袋を折る男を見て
箸おき一歩手前
なぜだかひどく安心している

どうしてそんなに早く帰るの
僕らもっとうまくやれるのに

道行く人の笑い声
きっと僕のことを笑ってる
今日も駅前のコンビニでスミノフを買って
なに食わぬ顔でネットしてる
明日も何も変わらない



自由詩 スミノフと僕 Copyright つばくらめ 2007-12-19 00:32:56
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