党首
AKiHiCo

ドアをそっと閉め鍵を掛けました
貴方が入って来ないように
カーテンも閉めました
外の光が今の私には
眩しすぎるのです

部屋の隅で壁に身を委ね
天井を見れば
乳白色の灯がゆらゆらと
暫くは上を向いておりましょう
瞼から溢れる涙は決して
零してはいけません

周りからの罵声が聞こえます
消えろ消えろと叫びます
皆様の眼は鰯のよう

もう私の心は砕け散って
身からも鮮血が滴っております
それでも尚私に皆様は
罵声と刃を浴びせると言うのですか

 ***
貴方に手紙を書こうと
筆を執りました
何から書きましょう
最後になるであろう手紙
私の思いを一言だけ綴ります

貴方は仲間を捨て
罵声から逃れた裏切り者です
しかし、この心を揺さぶる感情は
怒りだけではありません
愚かな私にはどうしたらよいのか
まだ理解出来ないでいます

答えは出ております
何せ私は党首であって
一人の女ではないのですから


自由詩 党首 Copyright AKiHiCo 2007-12-18 20:42:28
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