十月 コスモス
音阿弥花三郎

ぼちぼち夜空も透明になってゆく
そんなことを考えながら歩く
田舎の道は
陽射しの衰えを感じさせない。
秋風に道を失ったのではない
私はただコスモス咲くなかを
君を訪ねるのだ。
コスモスとは宇宙の意?
コスモスよ
ひふも内臓も無限に拡大する
君の瞳孔の中で!
野原は一面のコスモス
そして私の宇宙は
あらゆる尺度をもたない
ただ一本の
草花だ。


自由詩 十月 コスモス Copyright 音阿弥花三郎 2007-12-15 04:33:56
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