マグマ
石畑由紀子

にまわり我の影、という君がいて 君に見えざる影 我にあり


『君がため』 粘土で出来た人形ひとがたは受け入れがたき奇形児となる





夕焼けに踏みだす我の足首を掴むのごとく君の愛撫、よ、


舌と胸絡めとられて、聞こえるは胸を裂けずに声なき声の、





痙攣すちいさき花が叫ぶ名はまぶたの裏の焦がれし景色





混沌は混沌のまま手を繋ぐ 人に二つの手のひらがあり


ふりつもる寝息の床でひとり覚めて 見つむは地下の渦巻くマグマ







短歌 マグマ Copyright 石畑由紀子 2007-12-14 19:52:55
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