12月某日、ある曇った日の夕暮れ時
涙(ルイ)

年末だっていうのに
部屋を大掃除する気にもなれず

やたらと浮かれ気分の
テレビを見る気にもなれず

かかってきた電話はきっと
夕方会う約束をしてた友人から
留守電にかわったとたん 聞こえてきたメッセージ
「ごめーん、急に用事ができちゃってぇ」
妙に明るい声
会う気がなかったんでしょ
ごめんね わざわざ電話代使わせちゃって
あたしも会う気なかったよ
こっちから掛けようと思ってたんだ
だから ちょうどよかったよ
ちょうど よかった

うそばっかり


暖房の効かなくなった部屋の隅っこで
頭から毛布をすっぽりとかぶり
ただただ ぼんやりと 
窓の外ばかり眺めていた

すべての輪郭をぼかしてしまいそうな
鈍蜀色した空ばかりを

ずっと ずっと


自由詩 12月某日、ある曇った日の夕暮れ時 Copyright 涙(ルイ) 2007-12-14 19:01:36
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