樹氷林
相馬四弦
陽射しに青く染まる
耀く朝の枝で首をすくめる氷点
つめたいしずくが
透き通った時刻の表面を伝う
ちいさな吐息は宙色の結晶となり
遠ざかる背中に音もなく降り積もった
まばゆい氷葉が零下に突き立てられる
彼女の浸透は凍てついた指先を流して
やさしく髪を梳いて 囁く あたたかい唇で
その言葉は雪鳴りに掻き消されて
どこまでも白くなってゆく
自由詩
樹氷林
Copyright
相馬四弦
2007-12-13 15:20:23