思考の恋人
狩心
ざらめ雪
背筋も凍るほどの
ゆっくりと吐息
体中が
シーハーする
檸檬を握り潰して
吐息
体中に染み渡る愛撫
指先と
指先の会話
絡まり合う時間
遠くまで見える望遠鏡を
二人で覗く
煌めく夜空
ユニコーンが走る
小さな子供を
ドミノのように弾く
溢れ出る液体
皮膚の上を
波が騒ぐ
二人で草むらに
逃げ込む
丸まった球体一つ
首元に小さな赤
危険な香りが
命を呼び込む
手の平に咲いた花
優しく包み込んで
そっと抱き寄せる
冷たく息絶えたはずの闇が
淡く白く発光し
運命になった
誰もいない草むらに
誰かの温もりがある
二人
駆け出した風が
宙を舞って
小さな子供が
シーハーと
おどけて見せた
体中に染み渡る吐息
固く繋がった肉体と
冬の夜空
背筋が凍るほどの
思考の果てに
死にも似た
安らぎを見た