モノクローム・レッド
榊 慧
モノクロの極彩色に手を沈め感じるままに朱の月
白と黒そしてそこにはひとつ朱彩りのある世界を望む
パサリパサリと散りゆくは解いた朱の花になりけり
魂の欠片ごと一片も残さず食いちぎれ吹き出るは朱
羊水の記憶の中に朱の空小さい其れは今でも根付く
名残の緋ズクリと痛む純色の黒の中にも飛び散る朱
朱だけは誰のものにもなりはせぬ奪ってやると誓ったのです
指先が染まり垂れゆく血液の濃度の高い朱がちりりと
淑やかに大砲巨艦主義の朱俺の左目止めてください
黒ばかり白ばかりだけ単調な視野に潜むは妖艶の朱
白い紙黒い墨とが朱の火でちりりちりりとワルツを踊る
助けてと叫んでみても響かないそんな所に魅惑の朱が