傾きを求めてごらんよ
森さかな

 
 
あなたの
佇む公園で私が踏みにじったのは
黄色い無垢の花
 
音をたてて
壊れてしまう夕日に
眩むよう
 
 
 
 
なにもなかったみたく笑って
もたれかかる
黒いタイツを履いた足の
 
脆弱は
まだ、花ではなかったころの名残だろう
 
 
だれもいない公園の隅でブランコは
だから、
振り子のように揺れはしなくて
 
貪欲な私は
睫を繊細に扱いながら
あなたを漠然と抱きしめてみるのだ
 
 
 
 
ただ、欲っしてしまうだけだから
見えなくなってしまう
 
 
あの無垢の名を
はりついた花片のかなしみ
 
 
 
(ここがどこで
私はどこへ行くのか)
 
 
 
 
この刹那が あまりにも空虚でしょう


自由詩 傾きを求めてごらんよ Copyright 森さかな 2007-12-09 22:53:50
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