石畑由紀子

 
はねた、石は、
水のなかを、水を
大きく、全身でえぐり、ゆれて、水は
痛みで満ちた、が、血は、
流れずに、水のなかを、水の
深いところ、へ、


着席する、石は、
水、ではなかったが、
水を、汚さないので、水は
石を抱いて、そっと、つよく、
さすり、えぐられた感触を反芻、する、
泥の夜、ひかりの、朝、もう
石を、
離さない、


石があって、
完成、となる、

そんな、
わたしの湖、の、








自由詩Copyright 石畑由紀子 2007-12-09 00:37:30
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