すばらしい火事に
A-29

それは
冬の寒い夜に燃え上がった
すばらしい火事でした
立派なお家がぼんぼん燃えて
私も大活躍
みな火を消さねばという意識に欠けていたようですが
だれもみなヒューマニズムにあふれていて
みな一丸となって駆けずり回って
何をしているか解らないまま
互いに感謝しあって
瞳がキラキラしていたのです
(火事の炎が映っていたのでしょうね)

ああ〜っ、ガスボンベかぁ〜!
わかった!僕がなんとかしまあ〜す!

消防士のやって来ない
すばらしい火事のまわりで
年寄りも
女子供も
わぁわぁ騒いでちょうどいい温まり具合

それは
冬の寒い夜に燃え上がった
すばらしい火事の夢でしたが
私も大人になりました
オネショなしです


自由詩 すばらしい火事に Copyright A-29 2007-12-08 22:24:44
notebook Home