siberia
しもつき七

浸された水は
つめたく
ねがえりもできないほどに
なぜか凍みたまま
あの人ごとをさらって
いって

かなしい
のふちにいるあの人
たしかにいかされ、芽生え
一つの
さむさの中にいた


冬のにおい
どこかシベリア、
きれいなばしょでだきあえたらいいね
もう少し近いよ
少し



ice
あの人の
動物のぶぶんは温かく
ひどいことばだって浴びれずにいたから
底までゆけたのだね
あっぱく
舌のぬるさは知られちゃ
いけない



こごえるより溺れるからだをえらんだ
それでもキスは氷で



あの人は視力のない
あおい瞳をくれた
さびしい毛並み、



(siberia)


自由詩 siberia Copyright しもつき七 2007-12-08 19:27:09
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