三十路小唄
涙(ルイ)

とうとう三十歳になってしまいました
この歳になって鬱病になるとは
思ってもいませんでした
過去が追いかけてきて
私を捉えて離さないのです


こんなはずじゃなかったのに
こんなはずじゃなかったのに


もっとマシになっているはずでした
もっとまともになっているはずでした
一体どこで間違えてしまったのでしょうか


かあさん 正しく生きるって
どういうことですか
心を閉ざして 適度に周りと帳尻を合わせて
うまくわたっていくことですか
正しい大人ってどんな大人ですか
私には未だによくわかりません
自分の人生に未だに慣れずにいます


いい加減 できることとできないことの区別くらいつけよと
頬を一発ぶん殴ってみたのですが
なかなかうまいこといってくれません
かあさん こんな大人になってしまってごめんなさい


でも私はこれ以上にもこれ以下にもなれないのです
私は私を生きるより他にないのです
弱虫でちっぽけで すぐに痛い痛いと
なげいてばかりいますが
楽しいこともうまく楽しめないなんて
悔しくって悔しくって
壁に頭をぶつけてみたりして
そんなふうに拳に爪をたてながら
生きていくより他にないのです
あなたの望むような大人になれなくて
本当にごめんなさい


自由詩 三十路小唄 Copyright 涙(ルイ) 2007-12-08 13:21:08
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