断片集「間引く」
簑田伶子

一.


青を
反故にした

よりも
事情がある

真昼につき、
雨はふらない




二.


鋏の持ち手が緑だったことから
分け合いたくない
ままの
手と

この町には
渡るための橋がある




三.


前髪に、ふれるだろう
全盲の夜
とおんなじような黒 で
すこし、
悪いうたを吹き込む




四.


白夜ははくやと読むのです


はくいきのしろさが好くて
息をはきつづける

あいされている様子、かも しれ ない
永遠に夜、もしくは朝




五.


太陽を黄色としても いいよ
散々うつくしい瞳が点、点、
世界はむすばれないまま繋がれていく

ここにいても
いいよ




六.


放射状にちりばめた足先に、赤

腕が帆になるゆめをみたのは
私じゃなかった







自由詩 断片集「間引く」 Copyright 簑田伶子 2007-12-06 15:52:48縦
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