断片集「間引く」
簑田伶子
一.
青を
反故にした
空
よりも
事情がある
真昼につき、
雨はふらない
二.
鋏の持ち手が緑だったことから
分け合いたくない
ままの
手と
手
この町には
渡るための橋がある
三.
前髪に、ふれるだろう
全盲の夜
とおんなじような黒 で
すこし、
悪いうたを吹き込む
四.
白夜ははくやと読むのです
冬
はくいきのしろさが好くて
息をはきつづける
あいされている様子、かも しれ ない
永遠に夜、もしくは朝
五.
太陽を黄色としても いいよ
散々うつくしい瞳が点、点、
世界はむすばれないまま繋がれていく
ここにいても
いいよ
六.
放射状にちりばめた足先に、赤
腕が帆になるゆめをみたのは
私じゃなかった