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東雲 李葉
散らばる千の欠けらには不必要なものなど一つも無くて。
似たような形をしていても同じものなど一つも無い。
散らばる千の僕たちは確かな自分が分からなくて。
似たような姿を見つけては簡単に自分を見失う。
僕たちはまるで作りかけのジグソーパズル。
自分の居場所が分からずに爪弾きの指を恐れている。
僕はまるで形の合わないワン・ピース。
とりあえず繋がる仲間たちとぎこちない形で生きている。
本当はこんな遊び道具が羨ましいんだ。
誰の代わりもいやしない、そんな世界が欲しくて。
本当はいつもいつも不安なんだ。
僕が繋がる場所なんて何処にも無いんじゃないかって…。
散らばる千の欠けらには不必要なものなど一つも無いけど。
散らばる千の僕たちには要らない人もいるんじゃないか?
似たような形をしていても同じものなど一つも無いけど。
似たような姿をしている彼は僕と同じ人かも知れない。
僕たちはまるで作りかけのジグソーパズル。
繋がる線が細すぎて容易く崩れ離れてしまう。
僕はまるで形の合わないワン・ピース。
代わりの影に怯えながら迷う指先に身を委ねている。