夢の中ではいつも方向音痴
壺内モモ子

夢の中ではいつも方向音痴
歩きなれた道なのに
なかなかたどり着けない
いろいろな障害を乗り越えて
長い長い道を歩く夢の中

巨大なヘビに追いかけられて
逃げ込んだ場所が
おばあちゃんち
寝たきりのおばあちゃんが
元気に歩き回っていて
なんだか懐かしくなったよ
だけど

「そういえば、おばあちゃん、もう死んでいるんだった」

と、気づいたとき
私は夢から覚める

約束をした覚えがないのに
デートの待ち合わせの時間
早く彼に会いたいのに
たどり着かない
待ち合わせ場所がわからないんだから
たどり着くはずがないよ
だけど

「そういえば、彼とは、もうわかれたんだった」

と、気づいたとき
私は夢から覚める

夢の中ではいつも方向音痴
歩きなれた道なのに
なかなかたどり着けない
いろいろな障害を乗り越えて
長い長い道を歩く夢の中


自由詩 夢の中ではいつも方向音痴 Copyright 壺内モモ子 2007-12-02 00:33:49
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