祈り
冬蜜柑

私は祈っている

シナモンロールをフォークとナイフで食べることの違和感を覚えながら

私は気づいている

届くようにという願いの半分以上は届かない

私は祈っている

とけた粉砂糖をはがしながら、それでも構わない

私は気づいている

どうせ願わなくてもこの雨はやがて上がるのだ


私は気づいている

ならない携帯電話とにらめっこはもうやめだ

私は祈っている

携帯電話がなればいい

私は気づいている

雨が降っているなら傘を差せばいい

私は祈っている

それでも私は祈っている、シナモンロールは食べ終えた


自由詩 祈り Copyright 冬蜜柑 2007-12-01 20:41:24
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