冬便り
銀猫


きみに会いに行く
本当だった
列車に飛び乗ること
それも盲目ではなくて。

灰色の雨に流され
こころの小石が転がる

舞い散った落ち葉を踏みしめる音は
きみの泣く声に似ているから
意地悪が嬉しくて
何度も踵に力を込めた

凍え始めた地面には
手に入れなかったものが少しずつ
降り積もっている

きみが遠くでしあわせになり
ひとりが嘘でなくなったら
きっと白い冬が来る

かじかんだ手のひらひとつ
ポケットでおよぐ
寂しさと呼ばないのは
(いつか)
魔法の言葉のように
(いつか)
があるから
、ある、
から




自由詩 冬便り Copyright 銀猫 2007-11-30 19:20:21
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