かじかむ
雨女

冬の初めの匂いが好きで
朝早くから窓を開ける。
濡れたアスファルトは
夏のそれみたいに指で後がつくほど柔らかくある筈もなくて


ねえ、今沈んだような気がする
そういって
夏のアスファルトの上で足を踏みこむようなことを
こんな季節にも出来たらいいのに、と思う


シナモンをかけましょうか
このしんとした空気に
あたためるつもりはなくて、きっと
八つ橋が食べたいだけなんだ、って思うんだけど


堅い筈の大地に沈む違和感は
夏だけの副作用ならば
やはり
シナモンをかけましょう


贅肉のない夢を
雲のない虹を
これは決して麻痺等ではなく
かじかんでいるだけなのだから、心



自由詩 かじかむ Copyright 雨女 2007-11-29 00:45:43
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