風見鶏
風見鶏

逆さまのロースター白いダイヤで突き刺して
ほころびたその羽でマフラーを一つ編んでいく

凍えたままのブランコが君の指の間をすり抜けて
赤い茨は楽しそうに青い棘だけ引き裂いた

西部の小洒落たガンマンはフィルムの中でも冷たくて
黒いスーツはひしゃげた風に浮かれた仕草を残して消えた

走り出した茜の色が煤けたネオンに解けていく
心臓を突き抜ける灰色は嘴のようで嬉しそう

常夏の島のコースター路傍に咲いた小さな声で
逆さまに香るロースター薄いベニヤの中にいる


自由詩 風見鶏 Copyright 風見鶏 2007-11-28 18:24:48
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