天秤とレール
kuane

不安定に揺れる天秤の上で

天国と地獄が自分の存在を誇示するために綱引きをし

紙一重で保たれる均衡の中で

右往左往しながら振り回される

決められたレールに乗る台車の上に僕がいる

天秤を傾けるほどの力も意志も持ち合わせてはいないと

理解している振りをして

目の前にいる不幸で壊れゆく者よりも

遠くにいるはずの見知らぬ不幸と思われる者にだけ哀れみの言葉を押し与え

見知らぬ遠くの不幸な者より

作られた幸せに順応し退屈に思う自分の傲慢さに嘆きを求め

オチコボレを笑い、常識に縛られ、自分の理解できない者を否定し、

嘘と見栄と嫉妬に犯される

そんなレールの上から飛び出したい

落ちこぼれと呼ばれようとも・・・

変わり者とあざ笑われようとも・・・

僕は僕のままでただいたい


自由詩 天秤とレール Copyright kuane 2007-11-27 00:26:03
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