天秤とレール
kuane
不安定に揺れる天秤の上で
天国と地獄が自分の存在を誇示するために綱引きをし
紙一重で保たれる均衡の中で
右往左往しながら振り回される
決められたレールに乗る台車の上に僕がいる
天秤を傾けるほどの力も意志も持ち合わせてはいないと
理解している振りをして
目の前にいる不幸で壊れゆく者よりも
遠くにいるはずの見知らぬ不幸と思われる者にだけ哀れみの言葉を押し与え
見知らぬ遠くの不幸な者より
作られた幸せに順応し退屈に思う自分の傲慢さに嘆きを求め
オチコボレを笑い、常識に縛られ、自分の理解できない者を否定し、
嘘と見栄と嫉妬に犯される
そんなレールの上から飛び出したい
落ちこぼれと呼ばれようとも・・・
変わり者とあざ笑われようとも・・・
僕は僕のままでただいたい