埋没
佐々木妖精
ゴミ
おばあちゃんの黒電話
おじいちゃんの錆び鉈
遠いカレー屋のトッピング無料券
友達が残したワンカップへ花一輪
真っ赤に酔って潰れたマンサクの
ゴミ
ゴミは勢いで捨てるに限る
助走が長いと捨てられない
愛すべきゴミに守られ生きている
この部屋は記憶そのもの
ゴミ
だけれど
振り返った瞬間それが
全てが
あの日
帰り道で蹴飛ばした
ここまで連れてきてくれた空き缶
二度と出会うことのできない
かけがえのない存在だったことに
気づく
ありがとう
きみはもういない
ゴミ
ふやけたペットボトルと
回収BOXでしっとりしてたら分別された
俺は燃えるようだ