賛辞
藤原有絵

僕が地球の裏側に行くまで知らなかった真理を
産まれ落ちた瞬間に すでに携えた人もいる

羨んで
贈った賛辞の
純真さ
いかほど

虚勢をはって
したり顔でからっぽな優雅さ

誰にでも通用する
言い訳 なんて
本当は無い事を知っていました



「猥雑さ」で塗りたくられた
この思いの外重た気な両腕を
洗い流してくれたのは


誰でもない


僕の中で息を殺し
まだ生きてくれていた

僕自身
でした

震えながらも
まだ生きてくれていた

僕自身
だったのです






自由詩 賛辞 Copyright 藤原有絵 2007-11-24 23:19:48
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