在庫品セール(でまさかひと目惚れ)
メメズワイ



無人島にひとつだけ持っていくなら あたしのことを嫌いなあなたを





忘れてた振りしてポケットの毛糸でできたそれを純愛と呼ぼう



ドーナツを食べたあとのくちびるに積もる粉雪溶かす別れの



いつも見てる左ではない横顔に指でうずまき描いて おやすみ






借りた詩集の栞に占いの切り抜き 今日から俺は射手座のB型



俺の知る一番深い悲しみが 銀河系であれ きみであれ



書きかけの君宛の手紙を燃やす 魔法は熱じゃとけないと知り



風邪ひきてあの人想う体温は39度 ひと目惚れなんかじゃない






ひとを幸せにする嘘でも嫌い? 泣くな、うさぎのパジャマのままで






泣かぬなら泣くまでゆるしてあげない もし泣いたならキスでゆるして

少しだけ背伸びしたくて ロフトから投げる「もしもし、聞こえますか」





酔った勢いではなくて、勢いで酔ったのだ あなたの腕の中






短歌 在庫品セール(でまさかひと目惚れ) Copyright メメズワイ 2007-11-23 12:37:57
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