『女神の戯れ』

摩天楼の一画に、とても素敵な景色の見える部屋がある。

私はこの部屋のテラスで、夜風を感じながらあなたと過ごすの好き。

まずは赤と白のワインで乾杯するの。
この時は決まってあなたが白で、私が赤。
お喋りしながら次第に距離が近づいて、そっと腕が触れるくらいの距離まで近づくの。

私って雰囲気に弱いから、もう我慢し切れなくなって、あなたにおねだりするの。
あなたは笑いながら、私にキスをするわ。
そしてゆっくりと舌を這わせてみせる。

赤いワインが口元から私の首筋に流れ落ちるのをみて、あなたはキスを繰り返すようにその後を追っていくの。
だんだん快感が下へ下へと移動していくの、胸を過ぎて、下腹部を過ぎて………
そして辿り着くその場所で、私は声にならない声をあげるわ。

最高に気持ち良くて、
我慢できなくなるの。

私の中の赤が、あなたの赤を1番強く欲しがる瞬間、あなたが私の中で1番大きくなって、息が出来ないくらい強く抱きしめられて、ちょうど果てを迎えるその瞬間、


私はあなたの背中にナイフを突き立てるの。

あなたのその戸惑った顔、堪らなく好きよ。
そのままあなたを押し倒して、騎乗位のまま今度は何度も何度もあなたの胸を刺すの。

刺すたびに赤く吹きでるそれを全身に浴びながら、私は何度も何度も恍惚を見るわ。

しばらくあなたの上で余韻を楽しんで、私は動かなくなったあなたをテラスから落とすの。

鈍い音がして、私は意識が飛びそうなくらいの快感に落ちるの。

あなた最高だったわ…。

また会えるかしら?




散文(批評随筆小説等) 『女神の戯れ』 Copyright  2007-11-19 18:34:16
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