創書日和「指」 銀杏
北野つづみ

ほろほろと
風もないのに落ちてくる
きいろいなみだの
しずく

たおれた青草には霜
子どもはハアッと息を吐き
(みて、しろいよ)
目を丸くする

掃いても掃いても尽きることはない
そう思っていた悲しみにも
終りが見えてきた

ごつごつと
不恰好な指が見えてきた
明日を、掴むための


二〇〇七年十一月十九日



自由詩 創書日和「指」 銀杏 Copyright 北野つづみ 2007-11-19 10:13:56
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