愛が魂と為り道を照らすまで愛する愛の詩
相良ゆう

目を瞑ればすべてが見える
心のどこで私が叫んでいるのか

目を開けばすべてが見える
あなたがどこで呼んでいるのか

世界はすべてを含んでいる
今この瞬間も あのときの永遠も
これから始まる無明も

私は目を瞑り私のコエを聴く
生きるために必要な私の一部であるところの
痛みと悲しみと喜びと悦びと
徹底的な空虚さと無力さと中途半端な強さと優しさと
私の中の欲望と絶望と希望を瞑想する

私は目を開いてあなたを感じる
捧げるべき場所であり 捧げるべき時間である
あなたは私の目的地 あなた以外にたどり着くべき所はない
生きるために必要な目標としてのあなた
その過程にどんなに困難があろうとも 挫けそうでも
私の愛を受けとるものはあなたの他にはありえない


それでも私の愛を定義させてください
愛とは何か語らせてください
人の愛と私の愛とを
せめて少しだけ区別させてください


人の愛はとても限られているけれど
私の愛はきっと無限です

人の存在が有限であるように私の存在も有限だけれど
あなたへ向かう私の愛は決して尽きることはないと

伝わるかどうかが問題の愛ではなく
あなたに向かっているかどうかが問題の愛なのだと

とても自分勝手な愛に聞こえるかもしれないけれど
それでもあなたが居なければ この愛には意味が無いのだと

私の愛はそのような愛であることを知っていてください

愛されるよりも愛したいのでなく
愛されるよりもっと愛したいのでもない
ただの一瞬の共感などではなく
永遠の共有でもない

あなたが私の愛を理解しなくても
そして私があなたの愛を知ることが無くても
ただ私があなたを愛したことが
私やあなたが世界から消え去った後にも
魂となってとどまり続けて
私やあなた以外の誰かが
自分たち以外にも愛を語るものが居たことを知り
私の愛の魂が 彼らの愛の標となることを
祈るような愛なのだと


自由詩 愛が魂と為り道を照らすまで愛する愛の詩 Copyright 相良ゆう 2007-11-18 20:16:32
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