組曲「白のみちゆき」
Rin.
「ブリザード」
梢吠え闇の怒りと共鳴し生を償う旅路震わす
零℃切るなみだ氷雨が張り詰めた世界の銀を裂くデリュージョン
ブリザード膝つき見上げる万華鏡身を刺す寒もいまは煌めき
瞳を開けて捉える地上の大銀河扉絵にするエピローグの序
「ラスト・モーニング」
君がため踏む跡残し高みさせば白樺冬のかげろひがごと
風冴へて研ぐ雪の花白く燃えかたみを守る心二重に
この夜だにとく果てなむと見る空に似るもののなき玉のきざはし
ふたたびと暮るることなき世の白は春といふ名を誇るまどろみ