窓に映えた花園
揚羽 欄符

その家には寛げる椅子や
笑って囲むテーブル。
眠れるベットに
洗い流す洗濯機
外界に繋がる靴やらが
何処を探しても見当たらなかった
あったのは身を護るだけの服で
何枚も山積みになったそれは
今にも崩れ落ちそうだった

そこに誰が住んでるか、って?

主人は紛れもなく私であって
けっして私、では
有り得なかった

うんざりしていた
パンパンに着込んだ服や
外にさえ出られない自分に
重力に逆らい続ける
頼りない秒針に


自由詩 窓に映えた花園 Copyright 揚羽 欄符 2007-11-14 23:15:30
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