欠伸
雨女
蜂の子の
蜂の子の気持ちの
眠ったまま齧られる
蜂の子の
場違いな
欠伸
欠伸
乳白色の砦から
半透明の世界から
光ですべてにケリがつく現へと
つまみ出されて齧られる
眠ったままの
蜂の子の
欠伸
雷鳴が
大理石の空を染み渡り
背を低くした男達の笑い声と
その足下のうす汚れた靴の
その下の
踏み荒らされた 淵
欠壊するたび
あふれた業に押し流される者たち
その者たちの
苦しげな様と
場違いな 欠伸
欠伸
欠伸
またしても 欠伸
業火に焼かれた時でも
欠伸は
でるのだ
自由詩
欠伸
Copyright
雨女
2007-11-14 11:15:24