「痙攣」
菊尾

右のまぶたが痙攣している
右のまぶたが痙攣している
乱れて震えて
知らないあの娘と痙攣している
右のまぶたが痙攣している
右のまぶたが痙攣している
左のまぶたの由緒正しきその姿
ちょっと分けてはくれないか
右のまぶたの振動で
僕の世界は真っ二つ
右のまぶたの痙攣は
そよぐ水面、それのよう
僕のまぶたが波を打つ
揺るぎなくあちらを見据えるその姿
僕の右では揺らめいて、揺らめいて、
揺れている揺れていない
どちらが正しかろうが
どちらが正しくなかろうが
散り散りに壊れちまえよ君の世界


自由詩 「痙攣」 Copyright 菊尾 2007-11-14 02:15:39
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