秘密
かのこ

小さな袋をふたつ
満たした春の匂いは
衝動をさらっていくのには
充分すぎる

一度に押し寄せてきても
ゆっくりと迫り上がってきても
最後は同じところに
吸い込まれていく

ねぇ今
手をつないでと
思った、そのとき目が合った
触れられないまま
うつむいて照れ笑いした


自由詩 秘密 Copyright かのこ 2007-11-13 22:35:21
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