緑の芽 
服部 剛

朝食のバナナをほうりこみ 
口をもぐもぐさせながら 
ねぼけまなこで 
汚れた作業着をはく 

ポケットから取り出した 
昨日の悔しい仕事のメモを 
丸めてゴミ箱にすてる 

窓から日の射す机には 
「 あしたの 
  あたしは 
  あたらしい 」 
という本が置かれ 
ましろい表紙に 
小さい緑の芽を出していた 

鞄に本を入れ 
靴のかかとで立ちあがり 
玄関のドアを開く 

まぶしい朝日に頬は照らされ 
ぼくのこころのましろい表紙に 
小さい緑が芽を出した 





自由詩 緑の芽  Copyright 服部 剛 2007-11-13 19:50:23
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