ある町へ ⅲ
音阿弥花三郎

僕の旅はこの町で終わるのだろうか
この雨降らぬ町の名はなにか

この町で捕えたツバメ
を掌の中に隠す
いらだたしい感覚と暑さを忘れる
放ったつもりが 手元からポトリと落ちた
死ぬつもりだった
と、かたわらの老婆が云う。


未詩・独白 ある町へ ⅲ Copyright 音阿弥花三郎 2004-06-11 13:34:37
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