木漏れ日と影
揚羽 欄符

小さな頃に見上げた木
いつの間にか光に消えて

ぬるい陽浴びたシロバナも
今では姿を見かけない

手を出しては駄目なのよ
掴んで壊してしまうから

ほらね。

雲よりはかない水になり
綿飴に化けた依存症
それでも僕等は泣くんだよ
甘い果実に狙いを定め
ちっぽけな理想を押し付ける
それが愛だと信じては

アダムとイヴが笑ってる

ほらね。

やっぱりあの娘は駆け出した
自分のためだと気付きもしないで
ありもしない優しさ掲げ
いつの間にか影と影踏み


ほら、ね。


木漏れ日の影を見てご覧
まだあの娘は戯れ中


自由詩 木漏れ日と影 Copyright 揚羽 欄符 2007-11-13 00:01:05
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