木漏れ日と影
揚羽 欄符
小さな頃に見上げた木
いつの間にか光に消えて
ぬるい陽浴びたシロバナも
今では姿を見かけない
手を出しては駄目なのよ
掴んで壊してしまうから
ほらね。
雲よりはかない水になり
綿飴に化けた依存症
それでも僕等は泣くんだよ
甘い果実に狙いを定め
ちっぽけな理想を押し付ける
それが愛だと信じては
アダムとイヴが笑ってる
ほらね。
やっぱりあの娘は駆け出した
自分のためだと気付きもしないで
ありもしない優しさ掲げ
いつの間にか影と影踏み
ほら、ね。
木漏れ日の影を見てご覧
まだあの娘は戯れ中