有翼のめばえ
アハウ

晴れやかな
子午線の午後

東経はユーラシアに
張り巡らされ
北緯は赤道を北上して

ナイロンの投網
透ける青の糸
この空に張り巡らされている

地の湿った所
窪地の巣穴に
老いた陽射しは溜まり

とぐろ巻く
蛇たち
土地を這う

東経 北緯の投網は投げられ
地と天の航路が開かれる

蛇ども憑かれた蛇ども
つる草の伸び行く
微分のはやさで

架かる網を登る

晴れやかな青空
張り巡らされた
経緯の輝く網に

蛇 昇る
網を伝い
確かめつつ
上へ 上へと

網目に蛇の体液が滴り
地に落ちる

つる草が伸びるように
ゆっくり昇る

巻きつくたび
巻きつくたび

有翼のめばえ


自由詩 有翼のめばえ Copyright アハウ 2007-11-12 10:01:35
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