「お気軽に」
菊尾

彼女はそこに居るのに
不確かで途切れがちだから
そこに居ないみたい

ヒビの入った世界に
うつ伏せで
静かに極力静かに

目が閉じるのを
待っている
端から端へ円を描くのを
静かに目で追っている

秘密の隠れ家には
週、二回、だったのに
カギをかけてしまった
天井裏の三角部屋
もう今では
埃が、しんしんと

内側からはがしていきたい
昼も夜もない空間
みかんの白いのみたいに
一本また一本
丁寧に
時間をかけて、ゆっくりと

ため息こぼしたら
上手な事、されたいね
経験のない事で遊ぼうよ

足らない僕の何もかもは
彼女から速度を奪うばかりです

きみ、きみ、
何も無いのなら
新しいのを取り入れる
絶好の機会だよ


さぁ、どうぞ
お気の済むまで好きなだけ


自由詩 「お気軽に」 Copyright 菊尾 2007-11-11 05:10:32
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