にびいろの声紋(九)
信天翁

    ドアもウインドもない部屋で
  かがりびのはぜるおとはきこえず
    血のなかのこえもききとれず
猿ぐつわをされたわたしは焦っていた
カイロスのうしろ髪をつかもうとして
              そして
タナトスの前髪はかきあげようとして

      あゝ エナジーのひだに
     清流がないならば せめて
        地核のパッションが
    ふきだしてくれればいいのに





自由詩 にびいろの声紋(九) Copyright 信天翁 2007-11-10 19:55:54
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