明けて
木立 悟




風から来る音
歩むもののまわり
色を結うひとり


こだま かこみ
うしろのこだま
触れることなく
浮くかたち


雨が起伏を均し
地の光は消える
ひとつがひとつへにじむ


つながろうとする熱は無く
離れたものに応えている
曇 坂おおう



消そうとするのは 現われるから
消しようもなく
そこに在るから


火と光は近くなり
誰もいない道を燃し
煙は
道のかたちのまま空に着き


朝を朝にする
明るさの柱
水へ水へと傾く柱


人のかたちの洞と風
指は指から遠去かり
洞の向こうにひらく青
静かに振られる腕の青


数え切れないものを数える
水の上の小さな声
あるがままのうたになる
限り有るもののうたになる















自由詩 明けて Copyright 木立 悟 2007-11-10 15:53:15
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