プラス十万字
佐々木妖精

セックスは小さな死だという

それならばこれは

五万字の熱情がこもった
劇薬による死だ



女は出産することもできるが

男は排泄しかできない

その事実に
絶望一歩手前の劣等感を抱き

せめて排泄物をこね回し

太陽の塔を創り

体系的な哲学を構築し

組織を形成して
仕事に埋没でもしなければ

生き物として劣っているのを
意識してしまう

彼女たちは
腹筋が五回や十回しかできないのに
俺たちより長生きする

それを意識し続けるのは
目の覚めない明日を延々繰り返すのと同じで

おじさんは疲れ切っていて

肩の上がらない疲労の中で
頭を下げているのだから

あまりイジメないでやってください







一千と二十万字排泄したことを
ここに追認します


自由詩 プラス十万字 Copyright 佐々木妖精 2007-11-09 23:47:58
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