意識とぶ〜すれちがい
tomtom_poem


冷たさが汗ばむころ
いつもすれちがう
茶色のサングラスをかけた
年長けたおじさん
ときどき目が合うような
ちらと見るような
わたしは意識する

その数分後
いつもすれちがう
グレーのハットをかぶった
年若きおじさん
ときどき目が合うような
わたしは意識するが
あちらはすーっと通りすぎる

いつも決まった時間にすれちがう
いつも決まった場所ですれちがう
いつもこちらを意識させる二人
かたやちら見
かたや澄し顔

いつも期待してしまう
またすれちがうのではないか
いつも前のめりにすすむ
きょうも会えるのではないか
そしてきょう
会えなかった
すれちがわなかった

わたしの漕ぐ脚は
震えおののき
意識とぶ


自由詩 意識とぶ〜すれちがい Copyright tomtom_poem 2007-11-09 00:32:44
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