ガラス球の少女
佐野権太

柔らかく重なる
雲の色彩は
思う
あなたの
帆走する
今を、未来を

かすかに拓かれる
澄んだみずいろは
呼吸
わたしの
アクアリウム
泡よ、せつなよ

いつのまにか、ふたり
そんなふうに
空みたいに
流れて
流れついたら
と、思う

とじこめられたガラス球
ゆいいつの予感は
宇宙
遥か、むらさきの
けれども
それは
神々の、秘めごと







自由詩 ガラス球の少女 Copyright 佐野権太 2007-11-08 09:19:14
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