落日
shu

あなたのひとみから
こぼれ落ちた悲しみが
約束された事象の
織り込まれた糸を伝い
ぼくを貫く

海底のような
揺らぎのなかで
ふたりの合わさった痛みは
祝杯をあげるように
胸の水盤に注がれ
波紋を描いて交じり合いながら
まるで未知を示しているかのような
空を映し出す

そうして
手をつないで
帰ろうと微笑み
うなずきあって
ぼくらは動けないでいる
夕日に縫い付けられたかのように








自由詩 落日 Copyright shu 2007-11-05 11:25:43
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