きょよう
山中 烏流

そのくちびるから
なまえが
あふれるたび
わたしのひとみは
ちいさく
またたいたあと
もろもろを
こぼすことを
ゆるされる
のです
 
 
うつりこんだ
むらさきいろの
そらに
じゅうしんを
ずらして
 
 
そのゆびさきが
かたちを
さししめすたび
わたしののどは
ちいさく
ふるえたあと
こきゅうを
はじめることを
ゆるされる
のです
 
 
すいこんだ
さまざまのいみは
みもだえながら
わたしのわたしを
うがつ
 
 
そのひとみから
いのちが
うまれるたび
わたしのおくは
ちいさく
はねたあと
こどうを
ならすことを
ゆるされる
のです
 
 
じょうげを
くりかえしている
いのちのおとが
かすかに
きこえて
 
 
そのなまえから
なにかが
きえていくたび
わたしのゆめは
ちいさく
ぶれたあと
きえて
いくことを
ゆるされる
のです
 
 
まだ
あたたかいことを
わたしは
いつかしる
そのとき
ほうぼうにくだけ
ちらばり
そこにわたしが
いきづいていれば
いいのだと
 
 
そう
いうのです


自由詩 きょよう Copyright 山中 烏流 2007-11-05 09:44:42
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