めかくし。
永遠音 史香

目隠しの中で見た世界は
 
 
とても暗いのに安心した。


自分というラインを曖昧にして




黒い黒い世界と一体化してゆく。




失われるアイデンティティ。


「自分」という形。



時の流れ。


何も見えなくて。でもせめて置いてかれぬように。


歩くことすらままならない世界の中で知った。




──目隠しは集団。


──世界は流行。


──アイデンティティは失われ。


皆一緒。同じ形。「自分」というナカミがない。


自由詩 めかくし。 Copyright 永遠音 史香 2007-11-01 21:10:56
notebook Home 戻る